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2008年09月05日

あなたの身近な三国志 第1回

さて、唐突に質問です。
三国志の人物、魏の『司馬懿』と呉の『孫権』にはとある共通点があります。それはなんでしょう?


この質問だけで、三国志に詳しい人には何の話をしようとしているのか、バレバレですね。
適当に始めてみました『あなたの身近な三国志』。第1回と銘打ってありますが、2回目があるかは不明です。


答えは出ましたか?難しいですか?
ヒントは、『字(あざな)』にあります。『司馬懿』は字『仲達』、『孫権』は字『仲謀』です。


さあ、答えです。
「両者とも字に『仲』の文字がある」・・・それだと半分だけ正解ですね。
完全な答えとしては、「両者とも字に『仲』の文字がある事から、兄弟の生まれ順では次男である」です。


これは、中国に関してある程度詳しい人にはよく知られている事なのですが、漢字そのものの持つ意味から、その人の『字』を見ると兄弟の順番が分かる場合があるのです。
(もちろん、この法則に当てはまらない兄弟の方が多いです。)


さて、先程出した『司馬懿』と『孫権』、そしてその兄弟については、三国志マニアの人達の間では、ある点でとても有名です。
それは、彼らが「『字』を見ると兄弟の順番が分かる法則」に綺麗に当てはまっている兄弟だという事です。

『司馬朗伯達』
『司馬懿仲達』
『司馬孚叔達』
『司馬馗季達』

『孫策伯符』
『孫権仲謀』
『孫ヨク叔弼』(ヨクはコード非対応漢字)
『孫匡季佐』

『伯仲叔季』これが兄弟の生まれ順を表す漢字です。
『伯』が長男、次が『仲』、次が『叔』、最後に『季』です。
ちなみに、「4人より少なかったり多かったりした場合はどうするんですか?」と聞かれると困るんですが(笑)、「適当に付けるんじゃないですか?」と答えるしかありません。
事実、『司馬』の兄弟は『八達』と呼ばれ8人兄弟ですが、五男以降はこの『伯仲叔季』の法則とは関係なく『○達』って字を付けていますから。(ただ、傾向として『季』よりも後には『幼』って付ける場合が多い気がする。)


そして、『伯仲叔季』を見て「あれ?」と思った人も居たのでは?
そう、日常使う表現としての『伯父・伯母』と『叔父・叔母』の違いですね。『伯仲叔季』を見てお分かりの様に、自分の父母より年上は『伯父・伯母』、年下は『叔父・叔母』です。
つまり、三国志マニアなら、「孫家の長男『孫策伯符』だから『伯』が兄」ってすぐ解り、『伯父・伯母』と『叔父・叔母』を適切に使い分けられる様になります(笑)。


また、日常よく使われる言葉に『伯仲』というものがあります。
よくスポーツやバトル漫画で『実力伯仲』などと言う表現が出てくると思いますが、これも『伯仲叔季』が関係しています。


三国志の主人公の一人『曹操』の息子にして魏の初代皇帝『曹丕』ですが、彼は皇帝であると同時に当代一流の文学者でもありました。
曹操・曹丕・曹植の親子三人と、その周囲に集まった『建安の七子』と称される七人の文人達。それらを中心として花開いた『建安文学』は、中国中世の新たな文学の歴史の始まりであったのです。
そんな文化人としても一流の魏皇帝『曹丕』が記した、中国史上初の文学論評である『典論』に、『伯仲之間』という表現があります。
『伯仲之間』とは『長男と次男の間』つまり『そんなに差違が無い』『優劣が無い』の意味として書かれており、これを出典として、『伯仲』とは『優劣が無い』と言う意味で使用される様になりました。


皆さん、これからはスポーツ中継とかでアナウンサーが「実力伯仲」という言葉を使う度に、「ああ、1800年近く経った今でも、曹操の息子の曹丕が書いた『伯仲之間』という文章が我々の身近な場所で使われて居るんだなぁ」と思って下さい(笑)。


そんなこんなで、『あなたの身近な三国志』第1回、今回は兄弟の順を表す『伯仲叔季』と、それを元にした曹丕の『典論』より『伯仲』という言葉を紹介してみました。
歴史と文化が過去から続いているって言うのは良いですね。今が未来へと続いていく事を実感できます。


それでは、以上で終わり。


参考
小学館『現代漢語例解辞典』
光栄『三國志W事典』
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』司馬懿
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』曹丕
私家版 曹子建集
posted by 淵明 at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史関係
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