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2009年02月19日

中国小説豆知識 第1回 『小覇王』の意味

先日、サイト巡回していた所、とある絵師さんの所で書かれていた三国志大戦のイラストにて、『小覇王』という単語を曹操に使用していた?様に見えたんですね。
見間違いかもしれませんが。
それを見て「オイオイ」と苦笑した訳なのですが。

三国志演義で『小覇王』と言ったら、孫策の通り名です。
最近は、呉の君主の中で孫策が一番人気がある様で、いろいろな三国志演義を元にした作品(『一騎○×』とか『真恋△□双』とか)で孫策が活躍しており、それに伴い『小覇王』という【見た目が良い感じ】の通り名も有名になっていますね。

しかし、ふと考えたのです。
「そもそも、普通の人は『小覇王』の正しい意味が、解ってないんじゃないか?」と。

日本で『覇王』と言ったら、普通に『覇道をゆく王様』と言った程度のイメージで皆さん捉えていると思うのですが、中国の小説や歴史書で『覇王』と出てきたら、特定の個人を挿している場合が多々有ります。
それは、『西楚覇王』という王座に歴史上正式に就任している『項羽』の事です。
『項羽』と言えば、『四面楚歌』でとても有名なので、皆さん名前くらいは知っていると思います。司馬遷の史記からの抜粋で『垓下の戦い』のくだりを、高校時代に漢文で習いませんでしたか?
京劇にも、その四面楚歌の状況を元にした『覇王別姫』という超有名演目がありますが、この演目名からも解る様に、中国で『覇王』と言ったら『項羽』です。丁度日本で『判官』と言ったら『源義経』の事を言ってるのと同じような感じです。

つまり、中国の小説『三国志演義』で『小覇王』という通り名が出てきたら、これは『項羽の再来』と言った感じの意味になります。
『小覇王』の小は、英語で言うジュニアみたいな感じです。『項羽ジュニア』。
おそらく日本人の感覚としては、『小覇王』という単語から「まだ天下統一してないけど、覇王の素質を持った若き君主」といった感覚を抱くかもしれませんが、正しく言えばそれは間違いです。
ちなみに、ウィキペディアの孫策の項にも、注釈で【「覇王」とは項羽の称である。】と、キチンと書かれていますね。

中国の小説ではこういった通り名がとてもよく使われています。中国の歴史全般に詳しいと、色々ニヤリと出来る訳です(笑)。

そう言えば、水滸伝にも『小覇王』周通という人物が出てきます。
しかし、このキャラは【席次八七番・地空星】という、一〇八人の英雄の中ではかなり下っ端キャラで、ほとんど活躍しません(笑)。『小覇王』という通り名が勿体ないキャラです。

他にも水滸伝にはこういった、『小○○』という通り名を持つキャラがいっぱい出てきます。

『小温侯』呂方の『小温侯』は、呂という名字から解るとおり三国志の『温侯』呂布の再来を意味しています。このキャラは呂布の強さに憧れているキャラで、持ち武器も呂布と同じ方天画戟を使用しているという、生粋の呂布ファンです(笑)。主役の宋江の親衛隊なのでかなり出番は多く、マニア受けしそうなキャラです。

『小李広』花栄は、漢の時代に異民族との戦いで活躍した名称『李広』の再来って事で、『小李広』って名前になっています。李広には弓の名手としてのエピソードが伝えられていて、そこから水滸伝一の弓の使い手花栄には『小李広』ってあだ名が付いている訳です。ちなみに、中島敦の小説『李陵』の登場人物である李陵は、李広の孫にあたります。

『小尉遅』孫新の場合は、ちょっと他のキャラと事情が違うかもしれません。孫新の場合は、兄の孫立が『病尉遅』(意味:肌の色の悪い尉遅敬徳・・・褒めてるのか(笑))という通り名なので、弟の孫新が兄と関連って事で『小尉遅』なのだと思います。・・・だって【席次百番・地数星】が尉遅敬徳の再来なんて、有り得ませんよ(笑)。説明が送れましたが、尉遅敬徳って言う人は、日本にも遣唐使でお馴染みな、唐王朝建国に尽力した功臣の1人です。詳しく書くと益々長くなってしまうので、興味のある人はリンク先のウィキペディア先生をどうぞ。

そんな感じで長々と書いてきました『小覇王』の意味。解って頂けましたでしょうか。
それにしても、孫策ほど『小覇王』の通り名が似合う存在もなかなか居ないでしょう。出身・年齢・生き様・死に様。全てが『小覇王』項羽の再来に相応しい。
そもそも、正史に一騎打ちの様子が書かれている君主も、そうそう居ないでしょう(笑)。三国志演義で描かれている孫策と太史慈との一騎打ちは、きちんと歴史書にも記載されている史実なのです。

中国の小説関係で『小○○』なんて通り名が出てきたら、元ネタを探して、さらに元ネタも読んでみる、なんて事をすると楽しいですよ〜♪
それでは〜。
posted by 淵明 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史関係
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