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2009年12月24日

永遠亭時事放談・第1回『クリスマスにお勧めの小説』

輝夜 そう言えば、永琳知ってる?ちょっと前に、里で紅魔館のメイドに聞いたのだけれど、今日は『クリスマス』って日らしいわよ。
西洋のお祭りで、洋風の焼き菓子を食べたり、焼いた鶏肉を食べたりして、お酒を楽しむ日らしいわ。
永琳 ええ、知ってるわよ。西洋の宗教『キリスト教』に関連したお祭りね。
そう言えば折角のクリスマスに因んで、このブログの執筆者がお薦めしたい『キリスト教に関係した小説』があるらしいわ。
輝夜 へ〜、『キリスト教に関係した小説』ね。いったい、どんな小説なのかしら?
永琳 それはね、この本よ。
永琳 ブログ執筆者が一番敬愛する作家様である『陳舜臣』さん著『太平天国』ね。一番手軽な入手方法としては、講談社文庫から全4巻で発売中よ。
輝夜 あ〜、性格のひねくれたブログの執筆者の事だから、たぶん普通の『キリスト教に関係する小説』だとは誰も思っていなかっただろうけど。これはまたストレートに外してきたわね、あの中国史マニアさんは。
永琳 高校で世界史を習っていた人は知ってる人も多いだろうけど、簡単に本の概要を説明すると、
「19世紀の清王朝末期。アヘン戦争で敗北し、ますます混乱に拍車のかかった社会を革命しようと決起したキリスト教系秘密結社『拝上帝会』。そんな彼らの興亡を描く長編小説」
って所ね。
ちなみに小説のタイトル『太平天国』は、彼ら『拝上帝会』が建国した国家の名称よ。
輝夜 ああ、世界史の授業で『太平天国の乱』とかあったわね。そのお話しな訳ね。
永琳 そうね。そしてその『太平天国の乱』って一般的な歴史用語と、小説のタイトルである『太平天国』についても、ちょっとしたエピソードがあるのよ。
実はこの『太平天国』って小説、陳舜臣さんの歴史小説家としての最初期の作品に当たるの。で、この小説のタイトルを付けるに当たって、出版社の編集さんは前作の『アヘン戦争』と同様に分かりやすく『太平天国の乱』ってタイトルにしたかったそうよ。
ところが、著者の陳舜臣さんは、それに賛成できなかったの。『乱』と言うのは清王朝側から見た一方的な敵視であって、命を賭して社会の変革を試みた過去の人々に対して失礼に当たると考えたのね。
結果、この小説は著者の思いを汲んで『太平天国』という彼らが樹立した国家の名前で出版される事になったの。
輝夜 へえ、そんなエピソードがあるんだ。
それにしても出版社って本のタイトルを換えるのが好きよね。前に、同じ陳舜臣さんの著書『青山一髪』が文庫化されて『孫文』っていうストレート過ぎるタイトルに換わっていた時は、ブログの執筆者も呆れていたわね。
永琳 そうね。一般の人にも有名な所だと、司馬遼太郎さんの『項羽と劉邦』の原題が『漢の風、楚の雨』だったエピソードとか。
そんな風に、タイトルにも並々ならぬこだわりのあるこの小説なんだけれど、中身もとても熱く切ない名著なのよ。ブログの執筆者は陳舜臣作品の中で、この『太平天国』が一番好きなんだそうだから。
輝夜 へ〜。
『項羽と劉邦』の原題が『漢の風、楚の雨』だった事が一般の人に有名かどうかは疑問だけど、この『太平天国』が数多くある陳舜臣作品の中で一番好きなんだ、ブログ執筆者は。
永琳 そうそう。だから、クリスマスに因んでキリスト教つながりの『太平天国』を勧めるなんてネタっぽいけど、かなり真面目にお勧めの名著なのよ。
炭焼きとか漕運業とか社会の下層の人々を中心に、科挙の落第生『洪秀全』をリーダーとしたキリスト教系秘密結社『拝上帝会』が理想を求めて立ち上がる。けれども、時を経て、立場が変わって、そんな全てが変わりゆく中で、理想と団結だけを最初の頃のまま保つ事なんて、出来るはずもなかった訳ね。
理想と現実の中で翻弄される人間模様が、実に哀しさを誘うわ。
輝夜 あ〜、もちろん歴史上で『太平天国の乱』って言われている様に、バッドエンド確定の小説な訳ね。
そんな切ない系の歴史小説が好きな人には、確かにお勧めできそうね。
永琳 中国を題材にした歴史小説だから、地名や登場人物はもちろん全てが比較的馴染みのない漢字で書かれている訳だけど、それを乗り越えてでも読んで欲しいわね。
この『太平天国』は、その後続いて行く『中華民国』『中華人民共和国』という、『客家』を中心とした中国の近代革命運動の最初の物語でもあるのだから。
輝夜 『客家』?
『客家』って遙か昔、それこそ三國志の時代とかに、戦乱の酷い中国北部から比較的平和な南部に逃れて来た人々の事よね?小説内で重要なの?
永琳 ええ、重要よ。『太平天国』の主要メンバーは、ほとんどが『客家』出身なの。
ただ、ここで『客家』について説明すると長くなりすぎるから、それはいつもの如くウィキペディア先生の『客家』についてのページにお任せするわ。
輝夜 ふ〜ん。でも、面白そうだけど、なんか難しそうね。敷居が高いって言うか。
永琳 いやいや、でも結構単純な所もいっぱいあるのよ。なんと言っても権力慣れしていない人々が決起した話だから。
例えば『太平天国』の国家体裁。エホバの子を自称する洪秀全が『天王』としてリーダーとなり、その下に最高幹部5人が就く訳だけど、その名前が『東王・南王・西王・北王・翼王』の五王。偉い順番は麻雀の『東南西北』の順ね。『天』を中心に『東南西北』が四方を司り、『翼』は『天』の親衛的な役割よ。
輝夜 ・・・何、その厨設定。
永琳 しかも『東王』と『西王』には、必殺技があるの。
天に坐すエホバを自身の身に降ろして託宣を告げる『天父下凡』が『東王』の必殺技。
同様に、キリストを自身の身に降ろして託宣を告げる『天兄下凡』が『西王』の必殺技。
いざと言う時に使用して、組織の士気を大幅にアップしたり、多少無茶な話に説得力を持たせたりするわ。
輝夜 真面目な歴史物話が、一気に、うさんくさい方向に流れていったわね〜。
永琳 そんな真面目でちょっとうさんくさい歴史小説『太平天国』。ブログ執筆者お勧め作品なので、クリスマスのこんな日は、キリスト教秘密結社の血みどろな革命運動を堪能するのも一興ですよ。
輝夜 酷い締め方で終わるのね〜。ま、そんな訳で、皆さん楽しいクリスマスを過ごして下さいね。
私は、折角だからイナバ達に西洋菓子でも作らせましょうか。
永琳 それなら、輝夜がそう言うだろうと思って、ウドンゲに既に指示しておいたわ。
もうしばらくすれば出来上がるんじゃないかしら?
輝夜 流石、永琳ね。それじゃ、レイセンの様子を見に行きましょう。皆さん、さようなら〜。
最後に。この東方アイコンは、当ブログ執筆者が敬愛する『みょふ〜会』様の使用権フリーのものを使用させて頂いております。
posted by 淵明 at 17:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 永遠亭放談
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