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2011年09月11日

『東方神霊廟』4ボスの時代的矛盾と『かんざし』の正体

以下記述の文章には、『東方神霊廟』のネタバレが激しく含まれます。
未プレイでネタバレが嫌な人は、当該ページを閉じて下さい。
10行下からネタバレ文章開始。










何故こんな文書いてるかと言えば、『東方神霊廟』の『キャラ設定とエキストラストーリー.txt』内『霍 青娥』に関する文章を読んで、「これは時系列的に、突っ込み所満載だなぁ」と思ったからなのです。
つまり以下に続くのは「重箱の隅を突っつく」類の文章ですので、その類が嫌いな人は読まないことをお勧めします。



霍青娥
上絵の右側の青髪キャラが『霍 青娥』です。
キャラデザ的には、かなり可愛いです。

それでは、まず『霍 青娥』自身の元ネタについて。

『霍 青娥』の元ネタは『東方神霊廟』の『キャラ設定とエキストラストーリー.txt』内の記述から考えて、『聊斎志異』全496編の中のひとつ『青娥』で間違いないと思います。

聊斎志異_青娥
「『聊斎志異(下)』岩波文庫、蒲松齢 作、立間祥介 編訳」より

以下、『東方神霊廟』の『霍 青娥』と、『聊斎志異』の『青娥』との共通項を上げてみます。



【青娥が幼い頃、父親が道教にはまり彼女を置いて山に篭もってしまった。
父が残した本に興味を持った彼女は、何度も何度も本を読み返し、道士に
憧れるようになった。特に何仙姑(かせんこ:道教八仙人の一人)に憧れ、
いずれ自分も仙人となり父に会うと誓った。】
(東方神霊廟『キャラ設定とエキストラストーリー.txt』より引用)
(以下【 】内の文章は東方神霊廟『キャラ設定とエキストラストーリー.txt』より引用したもの)

[幼いときから父親の書物を盗み読んで、何仙姑の人となりを慕い、父親が山中に籠もってしまったこともあって]
(『聊斎志異(下)』岩波文庫より引用)
(以下[ ]内の文章は『聊斎志異(下)』岩波文庫より引用したもの)



【八年経ったある日、青娥は突然別れの言葉を言いだした。】

[はや八年になり、お別れの時も迫りました]



【術を使い、竹の棒を自分の姿に見せて死んだように見せかけたのだ。家族はそれを埋葬したのである。】

[あの時、わたくしは死んだのではなかったのです。埋められたのは竹の棒だったのです。]



他には、「霍家に嫁に行く」というのも、両者に共通している設定内容です。

また、青娥の【能力:壁をすり抜けられる程度の能力】ですが、『聊斎志異』の『青娥』では[一尺ばかりの小さな鑿のような物]が話のキーアイテムとして登場し、これが実は「どんな固い物でも、腐っている物のように簡単にスパスパ削ることの出来る」というマジックアイテムなのです。
作中では塀に穴をあけて敷地に忍び込むのに使用されています。

ちなみに神霊廟の『霍 青娥』のキャラ絵。
頭に刺している簪(かんざし)っぽい物が、私には『小さな鑿』に見えます。

青娥_簪
左側、白い部分が「鑿の刃」、右側の黒い部分が「持ち手」に見えます。

聊斎志異_鑿
『聊斎志異』の『青娥』の挿絵。右側の人物が手に持ち、塀を削るのに使用しているのが、その『小さな鑿』です。

元ネタが『聊斎志異』なら、「簪(かんざし)=鑿(のみ)」は充分有り得ることではないかと思っています。



以上、『霍 青娥』の元ネタが『聊斎志異』であることの査証でしたが、ここからは「『霍 青娥』の元ネタが『聊斎志異』であることで生じる問題点」を上げます。



まず、『聊斎志異』における『青娥』の時代設定です。
『聊斎志異』の作中に(科挙の)[生員]、[順天府(北京)]と出てくることから、明〜清初期の時代設定であることが分かります。
明〜清初期、つまり、西暦1400〜1700年頃です。
聖徳太子の死後800〜1100年です。
時代が合わないにも程があります。



となると「キャラ設定は『聊斎志異』を参考にしたけど、『東方神霊廟』の『霍 青娥』は、もっと昔に時代設定してあるんだよ」と考えるのが妥当です。
『東方神霊廟』の『キャラ設定とエキストラストーリー.txt』には、[生員]とか[順天府]とかの直接的な時代設定を導き出す言葉は出てきませんから。



ところがここで、ひとつだけこの解釈を邪魔する文章が『キャラ設定とエキストラストーリー.txt』内にあるのです。
それが、【何仙姑(かせんこ:道教八仙人の一人)に憧れ】の一文です。



【何仙姑(かせんこ:道教八仙人の一人)】との記述が『キャラ設定とエキストラストーリー.txt』にもあるように、『何仙姑』は中国で有名な『八仙』の一人で、ついでに女性の仙人です。
そして、ここで問題なのは「『何仙姑』自身が仙人になった時期」です。
『何仙姑』が人間として生を受けて、人間から仙人になったのは、唐王朝の時代。
仙人になるエピソードに『武則天』が出てくるので、だいたい『聖徳太子』の死後40〜80年くらいの時期だと推定されます。

『豊聡耳 神子』に道教を教えた『霍 青娥』が憧れていた『何仙姑』は『聖徳太子』の死後に仙人になった?
時系列で表すと、下記のようになります。


歴史上では『豊聡耳こと聖徳太子』が生まれて死ぬ(574年〜622年)
 ↓
『何仙姑』が仙人になる(655〜705年の間)
 ↓
『何仙姑』に憧れて、『霍 青娥』が仙人になる(『何仙姑』が伝説になるくらい後)
 ↓
日本に渡った『霍 青娥』が、『豊聡耳 神子』に道教を教える(東方神霊廟)
 ↓
おや?



と言った感じで、【何仙姑(かせんこ:道教八仙人の一人)に憧れ】って設定が『霍 青娥』にある限り、色々と時代順的に矛盾が生じてしまうのです。



と、グチグチと長い文章を書いてきましたが、
「まあ、別に現実世界の『何仙姑』と『東方神霊廟』の『何仙姑』が同じじゃないかもしれないし、『豊聡耳 神子』=『豊聡耳こと聖徳太子』だなんて何処にも書かれてないんだから、細かいことは気にするなよ!」
それより酒でも呑もうぜ!
といったノリで生きた方が東方を楽しめることは間違いないと個人的には思うので(笑)、重箱の隅を突っつく文章はここで終わりです。



最後に、参考にした本はこちら。

聊斎志異
『聊斎志異(上)・(下)』岩波文庫、蒲松齢 作、立間祥介 編訳
『道教の神々』講談社学術文庫、窪徳忠

と言っても『聊斎志異(りょうさいしい)』は上下巻ありますが、『青娥』について書かれているのは下巻だけですけどね。
posted by 淵明 at 22:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 東方関連
この記事へのコメント
豊聡耳神子=聖徳太子ではなく
豊聡耳神子=聖徳太子の生まれ変わりだったはず
死んでから生まれ変わる時期も計算に入れてみては
Posted by at 2011年11月10日 21:15
東方の世界観の中で考えると
豊聡耳神子や霍青娥が実在の人物であり、
それをモデルとして歴史書や小説が書かれたということになるんでは?

つまり、
「霍青娥は何仙姑にあこがれて仙人になった」
「仙人になった霍青娥が豊聡耳神子に道教を教えた」
というのは東方の設定に明記されているので否定できないとしても
「何仙姑が仙人になったのは本当は聖徳太子の時代よりかなり前なのに
後の時代に何仙姑について記述した書物の作者が何らかの勘違いをして
 何仙姑は唐代に仙人になった としてしまった。」
と考えれば東方の世界観の中では矛盾はしょうじない。


はず
Posted by at 2011年11月21日 14:33
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